今年も暑いと思っていた夏は、台風が過ぎてから秋の訪れを感じるようになりました。
コオロギやスズムシの声も聞こえだし、風鈴の音はさみしさをともなっています。
「訪れる」というのは古来、「おとづれ」という言葉であり、
音が連れてくるという意味であったそうです。
風の音、虫の音、下駄の音、などなど、音が秋を連れてくるという感覚もなんとなくわかります。
さて、9月にもなるとゆかたは着づらいとお思いの方は多いのではないでしょうか。
実際、日本の習慣では、ゆかたで外を出歩くのは7,8月で、それ以外の季節は着物というのが一般的です。
6月、9月は単衣、それ以外の時期は袷を着るのが通例です。
たら警察官に呼び止められて免許証の点数を引かれるとか、カフェの出入りを禁止されるとか、そういう事態にはならないわけです。
つまり、ルールや決まりが先行するゆかたや着物に対する偏見から、ゆかたや着物が着づらくなってしまっているということですね。
「せっかく買ったお気に入りのゆかただからすこし涼しくなってきたけど、まだ着たいわ」と思えば、コーディネートを工夫して着るのがよいです。
例えば襦袢代わりに木綿のシャツを着る、首元にショールを巻く、羽織を1枚羽織る(その時なら帯の結び方を着物風にアレンジするとか)、足袋を履くとか、そういうことでいいと思うのです。
極端な話、知らない人が外を薄着で歩いているからといって後ろ指を指したりしますか?
なぜゆかたや着物では人のファッションに訳知り顔で口出しする人が多いのでしょうか。疑問に思います。